泌尿器科専門のいぶり腎泌尿器科クリニックでは前立腺肥大症についても安心に診断・治療ができます。

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前立腺肥大症の診断について

前立腺は男性だけにある臓器で、膀胱の出口で尿道を取り巻くように位置します。
前立腺肥大症の症状は、尿勢低下、頻尿、夜間頻尿、尿意切迫、尿失禁などの
むしろ蓄尿障害、肉眼的血尿等々多彩で、同様の諸症状をきたす他疾患の除外診断が不可欠です。
坪院長
院長
質問者
質問者
坪院長

前立腺の診察について教えてください。

坪院長

はい。まず、50歳以降の中高年男性が排尿の異常を訴えて受診された時には、前立腺肥大症を考慮しながら診察を進めます。前立腺は男性にだけある臓器で、図ー1に示すように膀胱の出口で尿道を取り巻くように位置する通常はくるみ大のもので、精液の一部を作っています。
前立腺図

坪院長

それで、オシッコの問題が出る理由はなんですか?

坪院長

前立腺肥大症による排尿障害は次の図に示すように、肥大による器質的通過障害と、αー受容体という神経の増加で尿道抵抗が増加する機能的通過障害の2つが大きな理由とされています。

坪院長

なるほど。症状としてはオシッコの出が悪くなるとかの他にもありますか?

坪院長

症状は、尿勢低下(ひどい場合には尿閉)、頻尿、夜間頻尿、尿意切迫、尿失禁などのむしろ蓄尿障害、肉眼的血尿等々多彩で、同様の諸症状をきたす他疾患の除外診断が不可欠です。その対象となる疾患としては膀胱腫瘍・膀胱結石・膀胱近くにまで下がった下部尿管結石・前立腺癌・前立腺炎・尿道狭窄・神経因性膀胱(膀胱尿道機能障害)等多岐に渡ります。

坪院長

では、診断の流れとしてはどうですか

坪院長

前立腺肥大症は良性疾患であり、排尿障害・蓄尿障害などの自覚症状の改善が治療の主目的で、前立腺を縮小させることが目的ではありません。

坪院長

ということは、どのような治療となりますか?

坪院長

前立腺肥大症による排尿障害の仕組みは、前立腺の平滑筋が収縮して前立腺部尿道の抵抗が増すことによる機能的通過障害と、肥大した前立腺が直接尿道を圧迫する物理的通過障害の2つとされているのは説明した通りですが、前立腺肥大症に対する薬物療法は飛躍的に進歩したために、手術が必要となる症例は以前と比べ20%以下位にまで減った印象です。

坪院長

薬を使った治療がメインとなるのですね。

坪院長

そうです。薬物治療は、まず尿道抵抗を下げる『αーブロッカー』で監視するのが一般的かと思います。症状の推移を見て、『PDE5阻害剤』に変更したり、『5α-還元酵素阻害薬』を併用したりします。なお、前立腺肥大症の症状として、残尿が少なく排尿効率が保たれているにもかかわらず、頻尿・尿意切迫・尿失禁等の蓄尿障害が改善しない症例も多く経験します。
前立腺肥大症と薬1

坪院長

そういう場合は手術となるのですか?

坪院長

いいえ。そういう場合は、過活動膀胱(OAB:排尿効率の低下・腫瘍・結石・尿路感染などの基礎疾患がない頻尿・尿意切迫・尿失禁)の治療薬を併用してみます。なお、前立腺肥大症による排尿障害を悪化させる原因として、過度の飲酒・寒冷暴露・便秘・一部感冒薬の服用などがありますのでお気をつけください。
前立腺肥大症と薬2

坪院長

すぐに手術とはならないんですね。

坪院長

初診時に仮に尿閉(尿が詰まって自力では出せない)状態でも、すぐには手術は検討しません。昔と違い、薬物治療の進歩が著しく、間欠導尿を併用しながら排尿管理を行い、投薬治療の効果を待つことで改善する症例を多く経験します。

坪院長

薬の進歩のおかげなんですね。

坪院長

しかし、投薬にもかかわらず、症状の改善が得られずに尿閉を繰り返したり、また難治性の肉眼的血尿の原因となっているような症例では、手術療法を選択します。通常は、尿道からの内視鏡手術が一般的で、経尿道的前立腺切除術(TUR-P:内視鏡の先端に切除ループがついていて、前立腺を内側(尿道側)から順次削っていく)が標準的かと思われます。経験的には、特に重篤な合併症がなければ、ご高齢の方でもほぼ安全に手術可能で、排尿障害の改善も良好と感じています。
前立腺肥大症と手術

坪院長

ありがとうございます。

※上記内容は当院『季刊誌いぶりぶ』過去記事に基づきます

診療科目

泌尿器科では、副腎・腎、尿管、膀脱・前立腺等の後腹膜臓器と
尿道・陰茎・睾丸・副睾丸などを扱います。

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